● 体内時計と概日リズムとは?

私たちの体には、昼夜の環境変化に応じた約24時間周期のリズムがあります。これを「概日リズム」と呼びます。
睡眠・覚醒リズムの他、自律神経や血圧、ホルモン分泌、代謝など、非常に多くの生理機能にはっきりとした概日リズムが見られます。
このリズムを作り出しているのが「体内時計」です。体内時計は、地球の自転に伴う、昼夜の環境サイクルに体の機能を適応させるしくみで、時計遺伝子による分子の量や質の周期的変化を「時間」として捉えることができます。
● 体内時計は多くの生物に存在する…?

体内時計は、人間を含む哺乳類だけでなく、鳥類、爬虫類、両生類、魚類など、ほとんどすべての脊椎動物に備わっています。
昆虫などの無脊椎動物、植物、アカパンカビやシアノバクテリアなど、地球上の多くの生物にも存在します。
長い間、哺乳類の体内時計は脳の視交叉上核にしか存在しないと信じられてきました。
しかし、1997年に哺乳類の時計遺伝子が発見されて以降、視交叉上核と同じように、さまざまな臓器や組織でも時計遺伝子が発現しリズムを刻むことが明らかになっていきました。
つまり、体内時計は全身の細胞が持つ普遍的な機能であることが分かったのです。
● 体内時計のはたらき
私たち哺乳類では、視神経が受け取った光情報が「視交叉上核」に届きます。
視交叉上核は体内時計の中枢として機能し、全身の臓器にある末梢時計を制御します。体内時計では時計遺伝子の働きによりタンパク質が作られ、これが過剰になると発現を抑えるフィードバックのしくみで細胞内のリズムが安定します。
この仕組みにより、体の各細胞や臓器は周期的に活動し、睡眠・覚醒やホルモン分泌、代謝などの生理機能が整えられます。

● 体内時計が調節される仕組み

朝の光刺激は脳にある中枢時計の時刻が調節され、神経やホルモンを介して全身の末梢時計の時刻も調整されます。また、食事も末梢時計の時刻合わせに影響します。
全身の時計が合わずに変調を起こすと、睡眠障害、メタボリックシンドローム、うつ病、がんなどのリスクが高まります。
概日リズム調節作用(周期延長)が健康維持に役立ちます!
【参考文献】 JT生命誌研究館HP
「腸と脳の科学」坪井貴司著

体内時計は私たちの健康や生活リズムを支える重要な仕組みです。
光や食事などの生活習慣で整えることで、睡眠の質や代謝、心身の健康を維持することができます。
日々の生活の中で体内時計に目を向け、リズムを大切にすることが、健やかな毎日につながります!
漢方・東洋医学や養生食がお役に立てる事があります。笑顔で元気な毎日を送ってみませんか♪♪♪


