コラム

2026年04月09日

漢方薬剤師のよもやま話⑰「漢方薬にも甲、乙、丙があるんですよ」

今の時代には、ほとんど使わなくなりましたが、
古代中国の十干(じっかん)に由来する順序を表す言葉で、
順に1番目、2番目、3番目(こう・おつ・へい)を指します。
ま、いまでは、契約書類で見るぐらいでしょうか(^_-)-☆
甲(こう)、乙(おつ)、丙(へい)って順番があるんですが、

実は、漢方薬にも 甲字湯、乙字湯、丙字湯と名前の漢方薬があります

甲字湯・・・今の桂枝茯苓丸に生姜・甘草を足した処方で、桂枝茯苓丸の効果をより強めたもの

乙字湯・・・これが一番有名で いぼ痔、切れ痔、脱肛など 痔の薬でよく使われている

丙字湯・・・今はほとんど使われないが、尿路感染症や血尿、陰部の痒みなど熱性の「淋証」に用いられます。

江戸時代後期に活躍した名医「原 南陽」が創作した処方です。

私の漢方薬の組み立て、学問の源流「浅田流漢方」の 浅田宗伯先生の「皇国名医伝」では、
「その技術は卓越し、名は東国をおおい、その治療はもっぱら適用を主とした」と絶賛です。

浅田宗伯先生は、さらに、処方に加味・工夫を加えて、その理論は幕末から明治にかけて、多くの漢方医に
引き継がれました。現在でも、「浅田流漢方」として、漢方家に学ばれています

特に、薬局の漢方では、浅田流を尊重した長倉製薬創業者、長倉音蔵氏からの流れで研鑽された先生方がおられ
私が漢方を教えて頂いた先生方も「浅田流漢方」を取り入れられてます。

で、その1番に来る「甲字湯」

桂枝茯苓丸・生姜・甘草は 婦人の病の 瘀血に属するのもには、すばらしい威力を発揮します

令和の時代になっても、なかなか良くならない慢性炎症・瘀血に
ほぼ200年前の「原 南陽」の処方が用いられて、喜ばれているなんて

漢方・東洋医学って、ロマンティックで、素晴らしい!! って 思いますよね (^_-)-☆