コラム

2021年04月28日

五月病

もうすぐ五月ですね。
「五月病」って聞いたことがあると思います。
この季節、入社、入学、進級、進学、転勤などで環境が変わって、ストレスを受けやすくなります。
ましてや、今は、新型コロナウイルスの影響もあり、なおさら気持ちが疲れやすくなります。

「気持ち」・・つまり「気」は東洋医学独特の考え方で、西洋医学にはありません。
「元気がない。」という病名は西洋医学ではなく、
お医者さんは「元気がない」のは、どこかの臓器や内分泌の異常がないか??を調べます。
「気が虚してる」のを補う考えは漢方ならではです。


漢方では人間が持つ5つの感情
『怒・喜・思・憂(悲)・恐(驚)』を「五志」と言います。

生きていく上での精神状態のことです。皆さん、必ず「五志」は存在します。
現代風に言うと、「自律神経」の方がわかりやすいかも知れません。
ストレスなどによりこのバランスが崩れたことを「五志の憂」といいます。
五志は五臓(肝・心・脾・肺・腎)と密接に関わっており、精神状態や自律神経が乱れると臓腑にも影響が出てきます。

緊張すると、お腹が痛くなったり、動悸したり、めまいしたりするのは「五志の憂」が原因です。

また、「五志の憂」の治療を併用或いは追加する事によって、今のお悩みの症状がなくなる事もあります。

五志が原因のよくある症状
不安感、気分の落ち込み、過緊張、不眠、めまい、喉のつかえ、のぼせ、動悸、イライラ、胃腸の調子が悪い、神経質、意欲低下、朝起きれない、倦怠感、月経異常など様々です。

様々な症状がありますので、
•気の上衝に対して発散を助ける漢方薬
•気の鬱滞を改善する漢方薬
•気の不足を補う漢方薬
•瘀血を改善する漢方薬
•水分の滞りを改善する漢方薬
•牛黄、麝香などの動物生薬
などを使って対応します。

いくつかの要因が重なっている場合も多く、気血水、右脳型左脳型等を踏まえて選薬します。
併用する事もあります。
漢方薬の働きで滞っている気の流れを改善することにより、体のバランスも整い、こころの症状、体の症状ともに改善していきます。

また、養生として、軽い運動、発汗するのがいい場合が多いです。
朝散歩は、「五志の憂」には、おススメですよ。

コロナ禍ですけど

新緑の香り、澄んだ青空、掃いた雲。
少し顏を上げて見てみませんか(^_-)-☆