コラム

2026年09月09日

漢方薬剤師のよもやま話50 「気・血・水 気の種類・薬味」

「気」は、目には見えませんが、身体を動かし、血や水を巡らせるエネルギーのようなものと考えます。

血や水は身体を構成する「物質」ですが、気は「陽」に属し、それらを動かす働きを持っています。

つまり、気が巡ることで、血も水も巡る。

逆に、気の巡りが悪くなると、血や水の流れまで悪くなり、さまざまな身体の不調につながると考えます。

「気」の異常は、大きく3つに分けて考えます

① 上気(じょうき)

気が上方へ衝き上がる状態。

本来巡っているはずの気が上へ上へと向かってしまうタイプです。

② 気滞(きたい)

気の流れが滞っている状態。

特に喉の付近などに気が鬱滞するタイプを考えます。

③ 気虚(ききょ)

身体を動かす「気」そのものが不足している状態。

気滞が「流れの問題」なら、気虚は「量の不足」と考えると分かりやすいでしょう。

気の分類と主な生薬・漢方処方

気の状態 主な生薬 主な漢方処方
上気 桂枝、柿蒂 桂枝加桂湯、桂枝加竜骨牡蠣湯、苓桂朮甘湯、五苓散
気滞 枳実、厚朴、紫蘇葉 半夏厚朴湯
気虚 (白)人参、黄耆 補中益気湯、四君子湯、六君子湯

このように漢方では、「気の異常」とひとまとめにせず、

上へ衝き上がっているのか。
どこかで滞っているのか。
それとも、気そのものが不足しているのか。

その状態を見極めて、生薬や処方を考えていきます。

「気が、今どのような状態にあるのか?」

ここを考えることが、漢方で身体を読み解いていく大切な第一歩になります。