コラム

2026年09月15日

漢方薬剤師のよもやま話54 「漢方用語 虚・実って何?(^_-)-☆」

漢方相談の現場では、

「虚証」「実証」という言葉がよく出てきます。

簡単に言えば、

「虚」は、身体に必要なものが足りない状態。
「実」は、余分なものが身体にたまったり、邪魔をしている状態。

「虚」は
元氣がない。疲れやすい。
食欲がない。冷えやすい。
病気が長引いて体力が落ちている。

こういう時は、「身体に何が足りなくなっているのかな?」と考えます。

気が足りないのか。
血が足りないのか。
身体を温める力が弱っているのか。

足りないものを補って、身体を立て直していく。

「実」は

溜まっている、こもっている 満ち満ちている
便秘して、お腹が張って苦しい。
熱がこもって、顔が赤い。
痰や水がたまっている。
血が滞っている。

こんな時は、身体に何かを足すより、
「余分なものを、どう動かすか、どう出すか?」

「虚」と「実」は、こういうふうに説明をされると、全く別の物と思いますが

人間の身体には(特に長く病気を患っている方では)
「虚」と「実」が一緒に存在することが多いです

身体は弱っている。
でも、瘀血や水、痰などの余分なものは残っている。

血は少ない。
でも、熱がこもって、のぼせ感がある

補うだけでもダメ。取り除くだけでもダメ。
何を補って、何を取り除くのか?

そのバランスや優先順位を考える。

漢方では病名も大切ですが
この人の身体は今、何が足りないのか?
それとも、余分なものが邪魔しているのか?

補うのか? 瀉して取り除くのか? 取り除きながら、補うのか?

これが漢方の「虚・実」という一つの物差しです。