漢方相談の現場では、
「虚証」「実証」という言葉がよく出てきます。
簡単に言えば、
「虚」は、身体に必要なものが足りない状態。
「実」は、余分なものが身体にたまったり、邪魔をしている状態。
「虚」は
元氣がない。疲れやすい。
食欲がない。冷えやすい。
病気が長引いて体力が落ちている。
こういう時は、「身体に何が足りなくなっているのかな?」と考えます。
気が足りないのか。
血が足りないのか。
身体を温める力が弱っているのか。
足りないものを補って、身体を立て直していく。
「実」は
溜まっている、こもっている 満ち満ちている
便秘して、お腹が張って苦しい。
熱がこもって、顔が赤い。
痰や水がたまっている。
血が滞っている。
こんな時は、身体に何かを足すより、
「余分なものを、どう動かすか、どう出すか?」
「虚」と「実」は、こういうふうに説明をされると、全く別の物と思いますが
人間の身体には(特に長く病気を患っている方では)
「虚」と「実」が一緒に存在することが多いです
身体は弱っている。
でも、瘀血や水、痰などの余分なものは残っている。
血は少ない。
でも、熱がこもって、のぼせ感がある
補うだけでもダメ。取り除くだけでもダメ。
何を補って、何を取り除くのか?
そのバランスや優先順位を考える。
漢方では病名も大切ですが
この人の身体は今、何が足りないのか?
それとも、余分なものが邪魔しているのか?
補うのか? 瀉して取り除くのか? 取り除きながら、補うのか?
これが漢方の「虚・実」という一つの物差しです。


